宜野湾市では日米両政府が返還に合意している米軍普天間飛行場(約480ヘクタール)、返還済みの西普天間住宅地区(約51ヘクタール)の跡地利用が見込まれている。いずれも跡地利用で千人以上の人口増が想定されており、経済活性化が期待される一方、慢性的な交通渋滞に拍車が掛かるとの懸念もある。
新人で前市議の桃原功氏(65)=立民、共産、社民、社大推薦=と元市長の佐喜真淳氏(60)=自民、公明推薦=はいずれも跡地利用によるまちの発展に期待する。
普天間飛行場の跡地利用について、桃原氏は跡地利用の議論を踏まえ、大規模公園を整備して自然環境と市民生活との調和を図るとした。「市民との協同で、沖縄振興に寄与する跡地開発を進める」と強調した。
佐喜真氏は「沖縄振興はもとより日本経済の起爆剤になる」と強調。道路や学校用地などの確保に向けた軍用地の先行取得事業を推進し、跡地利用計画の策定に取り組むと訴える。
普天間飛行場に近接し、2015年に返還された西普天間住宅地区は「健康医療拠点」と位置づけられ、区画整理事業が進む。25年1月には琉球大学病院が、同4月には医学部が開院・開学する。市によると、教職員約1950人と学生約1200人、年間約27・4万人の外来患者が琉大病院・医学部を訪れる見込み。街の活性化につながる一方、さらなる交通渋滞激化が懸念される。
桃原氏は県道81号沿いの市街地と西普天間住宅地区を一体の街としてとらえ、イベント開催などでにぎわいを取り戻すと訴える。土日祝日などは琉大病院の駐車場を一般開放して渋滞緩和を図ると訴える。
佐喜真氏は琉大病院、医学部移転を契機に健康まちづくりに取り組むと強調した。渋滞対策として西普天間住宅地区から返還前の基地内を通り国道58号の那覇向けへ抜けるアクセス道路の早期整備などを掲げた。
西普天間住宅地区以外の渋滞対策について、桃原氏はコミュニティーバスの導入でマイカーを減らすことなどを訴えた。佐喜真氏は宜野湾バイパスの高架道路の早期整備などを掲げた。
(’24宜野湾市長選取材班)