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サンゴの白化で大浦湾側の移植を中断 防衛局、護岸工事は続行 辺野古新基地建設 沖縄


サンゴの白化で大浦湾側の移植を中断 防衛局、護岸工事は続行 辺野古新基地建設 沖縄 辺野古沖の海中に広がるサンゴの大群集。ひしめくように並ぶアオサンゴやエダサンゴなどが多様な生物を育んでいる=1月、大浦湾(共同通信撮影)
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 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡り、沖縄防衛局は大浦湾側のサンゴ移植を当面の間、中断することを決めた。県に4日、「サンゴの白化を理由に中断する」と報告した。白化が大規模に及んでいる兆候があったとみられる。

 沖縄防衛局によると、小型サンゴの一部で白化傾向を確認したため調査し、環境監視等委員会の指導・助言を踏まえて中断を決定した。小型サンゴ類で8月16日以降、大型サンゴ類で22日以降、それぞれ移植作業を実施していない。

 県には8月23日時点で大規模白化もしくはその兆候は見られないと報告。そのため県は30日、サンゴの生残率を維持する観点から移植判断基準を運用するように防衛局に通知した。今月4日からは県内各地での白化発生を受け、沖縄防衛局がサンゴ移植を進める大浦湾側の海域の制限区域外のエリアで白化の状況を調べる潜水調査を始めていた。

 沖縄防衛局はサンゴ移植を中断した一方で、辺野古新基地建設に向けた護岸工事は続行している。環境保全対策を取れば、工事海域にサンゴが残存していても「サンゴ類の生息環境は維持される」とし、サンゴ移植と並行して護岸工事を進めている。

(新垣若菜、沖田有吾、明真南斗)