【豊見城】豊見城市で学生服のリサイクルに取り組む「学生服の買取販売店 すまいる」は開店から3年余、子育て中の家庭に寄り添う営業を続けている。店を切り盛りする浦崎清美さん(41)は、自宅の一角に増築して店舗スペースを設けた。制服の補修にも対応し、地域密着で利用者を広げている。
店主の浦崎さんが開業したのは、会社員として事務職を約13年務め、福祉関係の仕事も経験した後だ。
きっかけは自らの子育て経験だった。幼稚園児や小学生、高校生、専門学校生の4人の子どもを育てている浦崎さん。上の子どもたちが中高校へ入学する際、家計で負担する教育費の中でも、特に制服の購入費の負担が大きいことを実感してきた。
そんな中、地元の豊見城市社会福祉協議会が取り組んでいた制服リサイクルが、人員不足もあって事業継続が難しい状況にあることを知った。「うちも子どもが多い。子育て中の家庭を少しでも支援できたらいい」と考え、同社協と連携し、自宅に設けた現在の店舗を2020年6月に始めた。
店舗は小規模ながら、500着以上の在庫がある。近隣の中高校を卒業した子どものいる家庭から制服を買い取り、補修やクリーニングを施して販売する。例えば、新品なら約2万3千円の冬用の学生服がリサイクル品で3千~5500円と約2割前後の格安で販売している。新品なら3千円余の体育着は、ワンコインの500円で購入できる。
中学校は豊見城、伊良波、長嶺の市内3校、高校は豊見城、小禄、那覇、向陽、糸満、南部農林の制服を扱う。
21年2月には、2店舗目として、東風平中学校の学校制服指定店を引き継ぎ、新品もリサイクル品も扱う店舗「ワークショップ ハピネス」を八重瀬町東風平で始めた。
「子育てをしながら店舗をずっと開けることは厳しい」と簡単ではないことを明かす浦崎さん。それでも「(利用者から)『こういう店があり、助かる』と言われると、やって良かったと思う」と話し、今後も継続していく思いを語った。
同店の問い合わせは電話070(3800)4360。 (古堅一樹)
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