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【辺野古巡る14訴訟の一覧表あり】代執行訴訟が今後の判決に影響する可能性


【辺野古巡る14訴訟の一覧表あり】代執行訴訟が今後の判決に影響する可能性 沖縄県名護市辺野古の沿岸部(共同通信)
この記事を書いた人 Avatar photo 知念 征尚

 辺野古新基地建設を巡る県と国の間の訴訟は、10月に国が提訴した代執行訴訟も含めて計14件が争われてきた。このうち判決が出ていないのは3件。今回のサンゴ移植訴訟に他の訴訟の判決が影響する可能性もある。

 県は、大浦湾側の工事実施に必要となる沖縄防衛局が提出した設計変更申請を県が承認していない中では、国は大浦湾側の工事を実施できないため、サンゴ移植の必要性がないと主張する。
 同様にサンゴ移植が争われた2021年の最高裁判決で県は敗訴した。だが、2人の裁判官が反対意見を付け、設計概要の変更申請が不承認になった場合、護岸工事は無意味になると指摘。「県が許可しなかったことに違法性がない」とした。

 ただ、設計変更申請を巡っては、承認しない県を相手取って国が今年10月に代執行訴訟を提起した。福岡高裁那覇支部で結審しており、県が敗訴すれば裁判所は県に承認命令を出す。県がそれでも承認しない場合、国が承認を代執行する。サンゴを移植する必要がないという前提が崩れるため、移植訴訟の継続は難しくなる可能性がある。

 これとは別に設計変更申請を不承認とした県の判断を取り消した国土交通相による裁決の適法性が争われているのが抗告訴訟だ。県は不承認判断の効力回復を目指している。だが当初願書の埋め立て承認撤回に関する抗告訴訟で昨年12月に出た最高裁判決が、国交相裁決の違法性について判断せず入り口論で県の訴えを退けた。構図が類似する今回訴訟も厳しいとの見方が強い。

(知念征尚)