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建設業、女性が働きやすく 沖縄県協会が「部会」 キャリア支援、業界の魅力発信へ


建設業、女性が働きやすく 沖縄県協会が「部会」 キャリア支援、業界の魅力発信へ 建設現場で働く女性従業員。県建設業協会は女性の雇用環境改善による就業者拡大を目指す(県建設業協会青年部会提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 島袋 良太

 沖縄県建設業協会(津波達也会長)は年度内に女性部会を立ち上げる。直近の課題である人手確保や高度な技能を持つ担い手育成のために、女性が働きやすい環境を整えることに力を入れる。業界に対する「男性職場」のイメージを払拭し、魅力的な業界として発信を強めたい考え。女性部会のメンバーは、既に業界に携わる女性を中心に構成し、出産などさまざまなライフステージに応じたキャリア計画の支援や、働く環境の改善などの政策立案を担う予定だ。

 特に現場の技術者で男性比率が高い建設業。現場に男性用のトイレや更衣室などしかないといった状況が続いてきたが、近年は県内企業でも女性用を設置する動きが出てきた。現場管理などを任される女性も少しずつ増えてきたという。

 県労働力調査によると、2023年度の県内建設業従事者は6万6千人で、前年度比7・0%減った。一方、女性はうち1万人。全体に占める割合は15%にとどまるものの、前年度と同数を維持しており、底堅さを見せた。

 「きつい、汚い、危険」(3K)と揶揄(やゆ)された時代もあったが、24年度から始まった業界の残業時間規制などで、労働時間の短縮や週休2日制の導入が進む見込み。協会は近年の「3K」職場の改善による女性の就業加速に期待を寄せる。重機の無人化施工やドローンなど最新技術の活用も進み、安全性や快適性も上がってきた。

 キャリア形成面では、現在事務職に就いている女性社員が「現場に出たい」と技術職への配属を希望し、技術者が出産や育児の都合で数年間、内勤の事務職を希望する事例が報告されていることから、生活設計に応じて職種を入れ替えるなどキャリア支援策も整える。

 業種別の所得水準で見ても、建設業は県内でも高い水準にある。協会の源河忠雄専務理事は「業界全体で働く環境の改善を進め、魅力的な業界になってきたと自負している。給料が高く、休暇があり、きつくない・危険じゃないの『新3K』を発信していきたい」と、新たな人材確保へ女性部会設立の意義を強調し、業界の底上げに期待を掛けた。

  (島袋良太)