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パインの葉から綿繊維生産 フードリボン社、沖縄・大宜味に工場


パインの葉から綿繊維生産 フードリボン社、沖縄・大宜味に工場 完成したフードリボンの事務所棟とパイナップルの葉から繊維を生産する工場棟=29日、大宜味村田港
この記事を書いた人 Avatar photo 武井 悠

 【大宜味】パイナップルの葉を活用した天然繊維事業やシークヮーサーの商品開発などに取り組むフードリボン(大宜味村、宇田悦子社長)は29日、同村田港に完成した本社工場の開所式と内覧会を開いた。施設はパインの葉を使った綿繊維の生産を中心に、地域の未利用資源を活用した産業創出、社会課題を解決する技術開発、教育の場などとしての活用を目指す。

 2019年に廃棄されていたパインの葉を活用した綿繊維作りの研究を開始して、初めてとなる工場で、パインの葉から綿繊維までの生産が可能だ。同社によると、100キロの葉から1・5キロの繊維が生産可能で、月間150キロの綿繊維の生産を目指す。生産した繊維は県外で糸に加工した上で、同社がシャツやポーチなど製品化し、販売するほか、アパレル企業へ生地の素材販売も行う。

 施設の延べ床面積は約1800平方メートル。国の沖縄振興特定事業推進費を活用した。工場は8月以降の稼働を予定する。

 新施設にはミシンやプリンターを備えた「クリエイティブスペース」や、縫製技術を学ぶ人が滞在、宿泊できる個室なども備えた。
式典には関係者ら約60人が参加した。宇田社長は「施設は全体の構想のまだ半分だが、ここがスタートとして重要な役割を担っている」とあいさつした。 

(武井悠)