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食品、宝石の展示会誘致を 沖縄の「大型MICE」展望は? RX Japan・田中岳志社長<焦点インタビュー>


食品、宝石の展示会誘致を 沖縄の「大型MICE」展望は? RX Japan・田中岳志社長<焦点インタビュー> 展示会産業について語るRXJapanの田中岳志社長=13日、那覇市の沖縄産業支援センター
この記事を書いた人 Avatar photo 與那覇 智早

 沖縄MICE(マイス)ネットワークが12日に開いたセミナーで、展示会主催会社RX Japan(東京)の田中岳志社長が講演した。同社は国内でエネルギーや自動車、農業、教育などの展示会を数多く手掛けてきた。1986年の創業以来、毎年新たな展示会を立ち上げ、現在では年間90本を開催する会社に成長した。田中社長に県が計画する与那原町と西原町にまたがるエリアへの大型MICE施設建設について、展望やその可能性を聞いた。

 ―沖縄で計画されるMICE施設の規模感はどうか。

 「メイン展示場と多目的ホールを合わせて1万7500平方メートルあるが、沖縄コンベンションセンター展示場が2500平方メートルと比較して考えると、初めて大規模な展示場ができることになる。地元の方々は大規模施設への不安もあるかもしれないが、東京ビッグサイトは約12万平方メートルだ」

 ―開催地としての可能性は。

 「沖縄はアジア圏の人が来やすいのも利点だ。(食の国際商談会)沖縄大交易会のように、日本の食品をテーマにするのは良いだろう。大きい商材を持って来づらい沖縄では、軽くて小さくて価値が高いものが適している。宝石関係も考えられる。海外の富裕層は1人で10億円分を買うこともある」

 ―地方での展示会事業は集客力で課題がある。

 「2023年に、農業分野の展示会を熊本県のグランメッセ熊本で開いた。大きな会場で多くの来場者が見込める展示会を開く方が収益性が高いため、首都圏での開催が多いが、日本を元気にしたい思いから、地方で開くことには価値があると考えている」

 ―県内で計画される大型MICE施設の建設予定地を視察した感想は。

 「那覇から車で30分くらいの距離は近い。ホテルや飲食店も多い沖縄はインフラ的に課題がなく、使いやすい会場となると思う。展示会は基本的に水曜から金曜までだが、プライベートでそのまま土日まで滞在し、観光する人も多いだろう」

 ―建設計画ではホテル整備が条件となっている。

 「大型MICE施設に付帯するホテルはあるに越したことはないが、ホテルが充実する那覇市内まで近いので、なくても問題はない。ただ、重要なお客さんの接待時に、落ち着いたレストランやラウンジの需要がある。また展示会は基本的に平日なので、観光客とバッティングしない時に宿泊が埋まるのはホテルとしてメリットだろう」

 (聞き手・與那覇智早)