「オミクロン株」沖縄でも流入に警戒 29日の新規感染は1人(11月30日朝)


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 南アフリカなどで確認された新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」について、県も今後の県内への流入に警戒を強めている。感染力や重症化への影響といった特性に不明点は多く残るが、県の糸数公医療技監は「第6波と重なった場合には、多くの陽性者が出てしまう懸念はある」と述べ、情報収集を進める考えを示した。日本の検疫が適用されない米軍基地を経由して入り込む可能性もぬぐえず、対応が課題となる。

 県によると、県衛生環境研究所(衛研)のゲノム解析でオミクロン株も検出できる体制にある。衛研では現在、定期的に県内で確認されたコロナ陽性者の検体を採取して変異の有無を調べているが、夏に置き換わりが進んだデルタ株以外は確認されていない。

 県内では今年3月に英国由来のアルファ株が、6月にインドで見つかったデルタ株が初確認された。糸数技監はオミクロン株について「国内に入って流行した場合、沖縄県に入ってくる人には慎重に対応しなくてはいけない。検査の強制は難しいところがあり、これまで以上の対応ができるかは調整しないといけない」と説明した。

 県は日々、在沖米軍から米軍関係者の新規陽性の報告を受けているが、変異株については米本国に検体を送っての検査となり、結果判明に時間を要する。オミクロン株を巡っても、県側にどの程度情報が共有されるのか不透明な状況にある。

 県内で29日に確認された新型コロナの新規陽性者は宜野湾市の20代1人だった。県に報告があった米軍関係の新規陽性者は28、29日とも1人ずつだった。

 


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