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「いつでもギブミーではいけない」予算のための基地容認に批判 代執行「国も司法も一緒に襲いかかってきているよう」名護博物館の初代館長


「いつでもギブミーではいけない」予算のための基地容認に批判 代執行「国も司法も一緒に襲いかかってきているよう」名護博物館の初代館長 自立に向けた積み重ねが重要だと話す島袋正敏さん=名護市天仁屋
この記事を書いた人 Avatar photo 金城 大樹

 2013年に仲井真弘多知事が辺野古埋め立てを承認してから10年。名護博物館初代館長の島袋正敏さん(80)は名護市天仁屋に暮らし、辺野古と同じ東海岸で新基地建設問題を考えてきた。新基地建設が国による代執行で強行されようとする現状に「納得いかない。国は代執行するだろうが、あらがい続けるほかない」と静かに語った。


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 これまで、琉球在来の豚「アグー」の復活や泡盛の普及活動など、沖縄の暮らしに根付く文化と向き合ってきた。復帰翌年の1973年、名護市が掲げた第1次基本構想は、自然保護や産業基盤の確立、住民自治などが原則だった。島袋さんはその構想を大切にし、米軍基地に頼らない、沖縄独自の文化を生かした自立のための振興策が重要だと考えてきた。

 しかし97年には、当時の比嘉鉄也名護市長が基地受け入れを表明。その後、仲井真知事も辺野古埋め立てを承認し、国は予算を増額させてきた。島袋さんは「振興のための予算などの金が欲しくて容認し、基本構想の原則が継承されていない」と指摘し、「沖縄が自立するために何ができるか考えないといけない。いつまでもギブミーではいけない」と強調する。

 基地建設に反対の意思を示してきた故・翁長雄志前知事や玉城デニー知事について「民意に応え、(基地建設を)つっぱねるのは当然だ」とした上で、「反対がただのパフォーマンスになってはいけない。国のさじかげんに翻弄(ほんろう)されないためにも、長期的なビジョンで自立を考えないと、また同じことを繰り返す」と語気を強める。

 島袋さんは、辺野古新基地が建設されても、普天間飛行場の返還については懐疑的だ。「基地はこれまで増強はされても軽減されてこなかった」と不安をこぼす。県が代執行訴訟に敗訴したことで、国が基地建設工事を進める算段は高まった。「国も司法も一緒になって襲いかかってきているように見える。玉城知事を応援し続けるほかない」と力を込める。 

(金城大樹)