「深く考えたことない」30代男性も「反対の声、届かないのは大変だ」“門前払い”に街の声 辺野古代執行訴訟 沖縄


「深く考えたことない」30代男性も「反対の声、届かないのは大変だ」“門前払い”に街の声 辺野古代執行訴訟 沖縄 台船(手前)からパワーショベルで海中に石材を投入する作業が続けられる大浦湾=2月9日午後0時10分、名護市(ジャン松元撮影)
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 名護市辺野古の新基地建設を巡る代執行訴訟で最高裁が県の上告を受理しないと決定したことに、県民からは「司法は県民の声を聞かなかった」「三権分立がない」と憤りの声が上がっている。「希望は捨てない」と新基地建設に反対する抗議活動を続ける意思を示す人もいた。普段は基地問題を考えていないという人も「反対の声が届かないのは大変だ」と、自分事としてとらえ直している。

 新基地建設反対の抗議行動に参加している名護市の男性は、最高裁の上告不受理を受け「国に忖度(そんたく)した司法判断だ。少数の意見に耳を傾けない裁判所の姿勢に強い憤りを覚える。現場ではそれに関係なく抗議行動をしていくしかない。希望は捨てない」と述べた。

 宜野湾市愛知に住む男性は、米軍普天間飛行場内にある父親の故郷・市神山へ帰郷できる日を待ち望んでいる。最高裁の不受理を受けて、「司法は県民の声を聞かず、完全に国の方針に従った。三権分立はあったものじゃない。悔しい」と憤る。

 県内移設で名護市民が基地負担を背負うことも、宜野湾市民として複雑な思いだ。「本当に普天間が返還されるか、生きている間に帰郷できるかも分からない。若い世代はこの問題から目をそらさず、関心を持ってほしい」と話した。

 南風原町在住で高校の非常勤講師として働く男性(33)は「県民の反対の声が届かないのは大変なことだ。基地があると危険なこともある。辺野古ではなく県外で受け入れてくれる場所があればいいと思う」と話した。ただ「沖縄のことだけど基地の近くに住んでいないので深く考えたことはない」と明かし、「第三者的な立場のところがある。もっと真剣に考えたい」と語った。

 (増田健太、石井恵理菜、上江洲仁美)