県内全域で29日までの間、毎週水曜日と日曜日に路線バスの運賃が終日無料となる県の事業が始まった4日、那覇市泉崎の那覇バスターミナルなどでは、普段よりも多くの利用客でごった返した。利用客の中には日頃、モノレールや自家用車で通勤する人も多く、「事業を継続してほしい」などの声が上がった。
午後3時ごろ、那覇バスターミナルで帰りのバスを待っていた、うるま市の女性(76)は、バス無料化の話を知り那覇まで買い物に来た。「無料化が利用者の増加につながって良いと思う」と話した。
午後5時過ぎに南風原町行きのバスを待っていた会社員の女性(22)は、普段とは違う利用客の多さに驚いた様子。「定期券を利用しているが、無料化はうれしい。ぜひ継続してほしい」と要望した。
那覇市在住の40代女性は「無料と知って久々に(バスに)乗った。予想よりすいていて快適だった。県民の足として大切に活用したい」と話した。
沖縄バスによると、朝の通勤通学時間帯に、本島南部の一部ダイヤで乗客が乗り切れなくなる「積み残し」が発生したが、目立った混乱は確認されなかった。運転手からの聞き取りによると常連客に加え、普段は見掛けない客もいたといい、通常よりも乗客数は多かったという。
琉球バス交通と那覇バスの担当者も「利用客が通常よりも多かった」と運転手から報告があったと説明した。通勤通学の時間以外も多めの乗客がいたといい「ラッシュ時には多くの人が乗るのを予想して時間をずらして工夫した人もいたようだ」と話した。「これを機に路線バスを知ってもらい、利用してもらえるとうれしい」と期待した。
(吉田健一、慶田城七瀬、玉城凪姫、島袋良太)