名護市辺野古周辺の海底で絶滅危惧種ジュゴンの食(は)み跡の可能性が指摘されていた痕跡について、沖縄防衛局は1日、「ジュゴンの食み跡ではない」という見解を示した。
辺野古新基地建設を巡り、有識者から助言を得る環境監視等委員会(委員長・中村由行横浜国立大大学院元教授)で報告した。
この痕跡は、辺野古崎東側の長島付近にある臨時制限区域内の海底で、新基地建設に反対するヘリ基地反対協議会・海上行動チームが7月29日、水中カメラを沈めた撮影で発見した。
環境監視等委員会に提出された資料によると、防衛局は8月1日の新聞報道を受け、同月12日に潜水調査を実施した。水深約6メートルの海底に長さ15・5メートル、幅20~37センチの跡が見つかったが、ジュゴンの主たる餌料である海草類が生えない岩盤で、食み跡の特徴である掘り返されたり、海草類がむしり取られたりした跡は確認できなかったという。
報告は「ジュゴンの専門家等にも報告して、意見を伺った結果、ジュゴンの食み跡ではないと判断した」と結論づけている。
この防衛局の調査結果は、調査を要請していた県にも報告があった。県自然環境課は「確認のため、現地調査の写真などの提供を求めている」と話している。
(南彰)
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