名護市辺野古の新基地建設を巡り、県が9月30日、沖縄防衛局に対し、事前協議で疑問点が解消されなかった環境保全対策に関する意見書を提出していたことが1日、分かった。防衛局は、事前協議の継続を求める県に対し、8月28日、協議の事実上の打ち切りを通知していた。
県によると、今回提出した意見書は、国指定天然記念物ジュゴンの調査拡充を求める内容や、サンゴの移植時期に関する要望など環境保全対策に関する9件で、県と防衛局の間で、1月から続いていた大浦湾側の埋め立て工事着手前に必要とされる事前協議で調わなかった項目。県は「疑問点が解消された」場合に「協議が調う」との認識を示している。
県は環境保全対策に関する事前協議が調っていないとして、8月22日に防衛局に協議継続と、その間の工事中止を求めて行政指導したが、防衛局は「協議は十分に尽くされた。今後は環境に配慮しながら工事を進める」と回答。協議の事実上打ち切りを通知した。
県担当者は、意見書に法的拘束力はないとしつつ「協議は打ち切られたが、県としては、(防衛局からの)回答が不十分で、詳細の確認が必要な項目があるとの認識から意見書の提出に至った」と説明した。
(與那原采恵)