辺野古代執行訴訟、きょう判決 高裁那覇支部 新基地巡る法廷闘争、大きな節目に


辺野古代執行訴訟、きょう判決 高裁那覇支部 新基地巡る法廷闘争、大きな節目に 大型の作業船が浮かぶ大浦湾=18日午後、名護市瀬嵩(小川昌宏撮影)
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 米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設問題で、大浦湾側の軟弱地盤改良工事の設計変更申請の承認を巡り、斉藤鉄夫国土交通相が玉城デニー知事に代わって承認するために提起した代執行訴訟は20日午後2時、福岡高裁那覇支部(三浦隆志裁判長)で判決が言い渡される。法定受託事務の代執行の判決は史上初めてとなる。辺野古新基地建設を巡る法廷闘争は大きな節目を迎える。

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 高裁が国の請求に理由があると認めると、県に承認命令を出す。国は訴状で県に対し、判決文の送達を受けた翌日から、休日を除く3日以内に承認するよう求めている。それでも県が承認しない場合、国が承認を代執行し、大浦湾側の工事が着手されることになる。県は敗訴しても上告できるが、最高裁で逆転勝訴しない限り工事は止められない。

 県の変更申請不承認を巡っては、県が国の関与取り消しを求めた訴訟で、高裁那覇支部が3月に県の訴えを退けた。県は上告したが、最高裁が9月までに上告を棄却するなどした。県敗訴が確定するも県が承認しなかったため、国が10月5日に代執行訴訟を提起した。

 2000年の地方分権改革で中央集権型の機関委任事務制度が廃止されてから、国が代執行訴訟を提起するのは翁長雄志前知事時代の15年以来2度目。当時は裁判長から和解提案があり、工事を中止して協議することを条件とした和解が成立した。