6月7日告示、16日投開票の県議選は玉城デニー県政の中間評価に位置付けられ、県政与党が過半数を維持、拡大するか、野党などが逆転し、多数を占めるかが焦点となる。県内各政党代表らに選挙の争点や意義などを聞いた。 (’24県議選取材班)
―県議選の争点と意義について。
「玉城デニー県政への信託が争点となる。特に辺野古新基地建設を巡る県と国の代執行訴訟で、日本政府は知事に対して『違法で異常』との言葉を浴びせた。これは知事を選んだ県民に対して浴びせた言葉で、憤慨している。県民もその言葉をどう受けとめるか。もし知事を支える与党の議席が半数を超えれば、これは県民も同様に怒っているということだ。知事は今回代執行に至った対応を恥じらう必要は一点もないということを示すことができる」
―普天間飛行場の辺野古移設へのスタンスと危険性除去について。
「新基地が完成しても、普天間飛行場が返還されない事態が現実味を帯びている。米軍高官が普天間飛行場を継続して使用したい意向を示した上に、日本政府は返還時期を示すのは『困難』だと言う。本来、辺野古移設条件があろうとなかろうと、普天間飛行場は一日も早く閉鎖・返還させて利活用するべきだ。松川正則宜野湾市長も言う通りに、返還期日を明示するように県民一致で求めないといけない」
―南西諸島への軍備強化について。
「ロシアによるウクライナ侵攻は、ロシアと北大西洋条約機構(NATO)の対立を背景に、武力で抑止力を高めようとした中で起こってしまった事態だ。日本政府は中国を念頭に置いて自衛隊の増強を続けている。この状況から考えれば、中国が冷静さを失った場合、沖縄も武力衝突に巻き込まれる可能性がある。これ以上の沖縄への軍備強化は許されない」
―県内経済の現状認識と対策は。
「企業が賃上げをしても、物価変動を考慮した実質賃金は下落する。物価が高騰する中、重要なことは電気やガソリン、水道代の支援だ。電気代は5月で国の補助が切れるが、県は支援を続けるべきだろう。ただ10月からの水道料金値上げは米軍基地由来の有機フッ素化合物(PFAS)が含まれる泡消火剤の影響があるので、国が値上げ分を負担しないと納得できない」
―選挙結果が今後の県政、国政に与える影響は。
「今回の県議選で知事を信託する結果となれば、国際社会から度々指摘されている通り、日本の人権意識の劣化が浮かび上がってくる」