「大きな魚もさばけたよ」地元の海の恵みに児童ら歓声 ユッカヌヒーにウミンチュ指導 国頭・沖縄


「大きな魚もさばけたよ」地元の海の恵みに児童ら歓声 ユッカヌヒーにウミンチュ指導 国頭・沖縄 ユッカヌヒーに地域の海人から魚のさばき方を学ぶ児童たち =9日、国頭村安田漁港
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 【国頭】9日(旧暦5月4日・ユッカヌヒー)に、国頭漁協東海支部海人(うみんちゅ)(国頭村奥~安波)の航海安全・豊漁祈願に併せて、地元のウミンチュらが長年地域の児童らを指導している魚さばき体験が、今年は6年ぶりに奥・安田・安波小学校の3校合同で安田漁港で開かれた。

 当日は、約20人の児童らが参加。各小学校の教諭や保護者、地域の人々らが見守る中、9人のウミンチュから指導を受けた。体験開始前には、参加者全員で漁港内を約40分間清掃した。体験の最初に、宮城康広東海支部長が古くから沖縄のウミンチュが行うユッカヌヒー行事の風習や、魚さばき体験についての経緯も説明した。児童らにとっては、地元の先輩から直接学べる絶好の機会となっている。

 夕方からのユッカヌヒー懇親会用も含めて、キハダマグロ・アカマチ・アカジン・ウメイロ・ガチュン・グルクンなど、総重量約120キロがウミンチュによって水揚げされた。大量の魚を目の当たりにした児童からは、どよめきがわき起こった。

 児童たちはグルクンなど小さな魚から1匹ずつ選び、ウロコをはぐことから始まり、さばき、内臓の取り出し、洗浄と進めた。経験のない子も、手助けを受けながらしっかりと作業を行った。

 2、3匹続いてさばいた後、大きめの魚を手にした児童らもいて、慣れた手つきでしっかりと3枚におろし、刺し身用としてさばいた魚をお土産として持ち帰った。ウミンチュにより懇親会用として、約30キロのキハダマグロがさばかれ、刺し身用として切られた身が提供された。児童たちは取れたての刺し身をほお張りながら自然と笑みがこぼれていた。

 閉会式で、参加した児童からは「今日は、大きな魚もさばけた。早く帰って家で食べたい」「大きめの魚をさばく時、面白かった。漁師に助けてもらった。また家でもやってみたい」「最後にさばくときに3枚におろしたが、骨に身がたくさん残っていたので、もう一度家でうまくできるよう頑張る」などの感想の発表があった。

 (新城高仁通信員)