prime

自転車で観光、環境整備へ 「おきなわツーリズム協」発足 国ルート指定目指す


自転車で観光、環境整備へ 「おきなわツーリズム協」発足 国ルート指定目指す 新たに発足したおきなわサイクルツーリズム推進協議会。委員長には県サイクリング協会の森兵次会長が就いた=4日、県庁
この記事を書いた人 Avatar photo 當山 幸都

 自転車で観光を楽しむサイクルツーリズムの推進に向け、県内の受け入れ環境整備や利用促進を検討する協議会が4日、立ち上がった。行政と業界団体、民間事業者、識者らが参画。国内外の観光誘客や県民への理解促進、国のナショナルサイクルルート(NCR)指定に向け取り組むことを目的に掲げた。年度内に基本構想をまとめ、具体化につなげる。

 協議会の正式名称は「おきなわサイクルツーリズム推進協議会」。県事業の一環として発足し、4日の初会合で県サイクリング協会の森兵次会長が委員長に就任した。県や沖縄総合事務局、沖縄観光コンベンションビューローの関係部署のほか、サイクル関係団体、アスリート、学識経験者らで構成される。

 協議会が目的に据えたNCRは、自転車の快適な走行環境や受け入れ体制が整備されたルートに国土交通省がお墨付きを与える制度で、19年に導入された。現在は全国に6カ所ある。国内外へのPR効果が高まり、指定済みの地域では訪問者増加や、サイクリスト目線による新たな観光資源の発掘につながっている。

 NCRに指定された地域では、滋賀県の琵琶湖を自転車で一周する「ビワイチ」や茨城県の霞ヶ浦を一周する「カスイチ」など、「一周」を資源にしたサイクルツーリズムに取り組む例も目立つ。県も2023年3月策定の自転車ネットワーク計画で、30年度までに沖縄本島一周ルートを形成する基本方針を盛り込んだ。

 協議会で一周ルートの実走行やルート上にある宿泊施設などの調査項目を整理し、県内外の事例なども踏まえ基本構想をまとめる。 

(當山幸都)