沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡り、沖縄防衛局に出したサンゴの移植許可を県が撤回したことについて、県政与党からは「当然だ」などとして評価する声が上がった。一方、野党は県の判断に疑問符を付けた。
与党の立憲おきなわ会派長の仲村未央氏は「高水温を避けられないこの時期に、県との協議もなく防衛局が移植を始めたのは乱暴というほかなく、あるべき政府、行政の姿ではない」と痛烈に批判し、「撤回は当然だ。県の判断を強く支持する」と強調した。
与党のてぃーだ平和ネット会派長の瑞慶覧功氏は「最高裁判決を受けて行政機関として仕方なかったとはいえ、許可を出したことも決して納得していたわけではなかった」とした。その上で「許可を受けてすぐさまサンゴ移植に着手することで、政府は県民の脱力感を誘おうと狙ったかもしれない。その中で、今回の知事の判断は大きな意義がある」と評価した。
一方で、野党の沖縄・自民党会派長の島袋大氏は「最高裁判決での敗訴を受けて県は移植を認めた。現時点での水温は平年並みとされる中で高水温を理由とするのならば、許可の条件に今の時期を避けるようにと入れておけば良かった話ではないか」と指摘。「しっかりした知見を持って許可を出したのならば、わずか2日での撤回は疑問だとしか言えない。難癖のようにも受け止められる」と述べた。
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