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辺野古埋め立て承認10年 繰り返される12月の「重大局面」のドタバタ 沖縄県に年内判断を迫る政府 


辺野古埋め立て承認10年 繰り返される12月の「重大局面」のドタバタ 沖縄県に年内判断を迫る政府  米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古埋め立て申請の承認を正式に表明する仲井真弘多知事=2013年12月27日、那覇市寄宮の知事公舎
この記事を書いた人 Avatar photo 古堅一樹

 2013年12月、当時の仲井真弘多知事が辺野古新基地建設の埋め立てを「承認」した。それから10年後の2023年12月28日、国が史上初の代執行で設計変更を「承認」した。年末に繰り返される辺野古新基地をめぐる「重大局面」。10年前の琉球新報の1面記事を基に当時を振り返る。

2013年12月17日 首相官邸(東京)

◆政府と沖縄県が経済振興策や米軍基地問題を話し合う「沖縄政策協議会」が開かれ、仲井真弘多知事は、米軍普天間飛行場の5年以内の運用停止などを要求した。安倍晋三首相は「最大限努力したい」と表明した。

2013年12月18日付の琉球新報1面

2013年12月18日 首相官邸(東京)

◆仲井真弘多知事は米軍普天間飛行場の5年以内の運用停止について「まずは回答をいただかないといけない」と述べ、政府からの回答を強く求めた。知事は安倍晋三首相と約7分間、2人だけで会談した。

2013年12月20日付の琉球新報1面

2013年12月23日 東京都内の病院

◆仲井真弘多知事は検査入院中の病院で當銘健一郎土木建築部長ら沖縄県幹部と約2時間、協議した。當銘部長は公有水面埋立法に基づく審査基準6項目のうち、環境保全に関する項目だけを残して審査が終了したことを報告したが、埋め立て承認の可否は出なかったという。一方、政府は知事が要求した基地負担軽減策などへの回答を25日に行う方向で調整。

2013年12月24日付の琉球新報1面

2013年12月24日 首相官邸(東京)

◆安倍晋三首相は閣議で、沖縄振興期間中(2012~21年度)の内閣府の沖縄振興予算について14年度以降、毎年3千億円を確保すると表明した。米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向け、25日に会談する仲井真弘多知事の理解を得る狙い。

2013年12月25日付の琉球新報1面

2013年12月25日 首相官邸(東京)

◆仲井真弘多知事は辺野古埋め立て申請をめぐり、安倍晋三首相と会談した。首相は環境保全面で日米地位協定を補足する新たな特別協定の締結に向けた米側の交渉を開始すると報告。米軍普天間飛行場の5年以内の運用停止要求には「努力を十二分に行う」と強調。知事は首相の回答を高く評価し、会談後に記者団へ「良い正月になると実感した」と述べた。知事周辺によると、知事は27日に承認を表明する意向を固めた。

2013年12月26日付の琉球新報1面
2013年12月26日付の琉球新報社会面

2013年12月26日 知事公舎(那覇市)

◆仲井真弘多知事は知事公舎に県幹部を集め、辺野古埋め立てを承認する方針を伝えた。27日に記者会見し、正式に承認を表明する予定。県土木建築部は知事の可否判断の大きな要素となる審査結果について、最後まで検討していた環境保全に関する項目も含めて「適合する」との結果をまとめ、知事公舎で決済印を得た。

2013年12月27日付の琉球新報1面

2013年12月27日 知事公舎(那覇市)

◆仲井真弘多知事は記者会見し、辺野古埋め立て申請を承認したことを正式に発表した(記者会見の動画あり)。承認の理由について知事は「現段階で取り得ると考えられる環境保全措置などが講じられており、(公有水面埋立法の)基準に適合していると判断した」と説明した。

2013年12月28日付の琉球新報1面

(了)

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