県産ヤギの競り値が高騰している。糸満市武富の南部家畜市場で7日に開かれた初競りで、体重176キログラムの雄ヤギが税込み31万200円で競り落とされた。過去最高価格で、これまでの最高価格24万1920円(2016年8月)の約1・3倍となった。コロナ禍後に需要が回復したことが背景にある。生産者からは「ヒージャーバブルの到来だ」と歓迎する声が上がっている。
雄の平均価格は9万1326円と、2016年10月以降2度目となる9万円台に乗った。価格上昇の背景について、JAおきなわの市場担当者は(1)コロナ後、ヤギ汁を振る舞う機会が増えた(2)円安による輸入ヤギ肉の価格上昇を受け、食肉業者らが県産ヤギの購買に移行した(3)生産が需要に追いついていない―ことなどを挙げる。
コロナ禍でヤギ肉需要が落ち込み、競り価格が下がったことで離農が進んだ。県によると21~22年の間、ヤギ農家は114戸(11・3%)減少し、飼養頭数も6年ぶりに1万頭を割り込んだ。
そのため、現在の需要の高まりに対して、生産が追いついていない状況だ。2022年現在、県内には1129戸のヤギの肥育農家がおり、年間生産量(枝肉)は99トン238キロ。
(玉寄光太)