カプセルホテルのサウナでととのう　那覇の中心、6時間入り放題「サ活」プランも＜熱島！沖縄サウナ＞2

CABIN & HOTEL ReTIMEのドライサウナ。現在コロナ対策で利用人数を3人に制限している。テレビなどもない静かな空間。

　沖縄の県都・那覇市の玄関口、那覇バスターミナル。ゆいレール「旭橋駅」にもつながっており、官公庁や商業エリアへの通勤のため、多くのビジネスマンが日々行き来する。そこから5分ほど歩くと、サウナを完備した大浴場が自慢のカプセルホテル「CABIN & HOTEL ReTIME」がある。近年、ここは那覇市民のサウナーにとって新たな癒しの場になっているのだ。

（野添侑麻）

■那覇のビジネス街でととのう

　ホテルのオープンは2019年10月。今でこそ県民サウナーの間では名が知れた施設だが、当初、日帰り入浴の客は全くいなかったという。平良祐子総支配人は「こちらもサウナを売りにしようとは思っていなかった」と振り返る。

　地域住民にも大浴場を楽しんでもらおうと、近隣へのチラシ配りやSNS発信など広報活動に力を入れると、那覇市内でもそれほど多くないサウナ付きの大浴場、800円という料金の安さも相まって、徐々に利用客が増えてきたという。

　女性客の利用も多いホテルだが、設計段階の計画ではサウナは男湯のみで、女湯に設置する予定はなかった。しかし「絶対に両方にあったほうがいい」という平良支配人の一声で、女湯にもサウナ併設を決定。これが功を奏した。今では日帰り入浴の客層は、男女共に幅広い年代に広がっている。

■「サ活」の名で利用客増

　沖縄県内の他のサウナ施設にはない特徴として「サ活デイユースプラン」がある。最大6時間、カプセルルームを利用しながらサウナなど大浴場に入り放題というプランだ。カプセルホテルという施設の強みを最大限に生かした。

　宿泊ルームを利用して施設で6時間休憩できるというこのサービス。ホテル業界では「デイユースプラン」と呼ばれ、定着しているという。しかし、一般客には馴染みがなく、利用客がほとんどいなかった。

　そこで考えたのが「サウナ」を全面に押し出すネーミング。サウナに定期的に通う「サ活」というワードを取り入れた名称に変えたところ、サウナーの目にとまり、日に日に利用客が増えているという。日帰り入浴は2時間制だが、6時間以内入り放題のプランは「サ活を何度も楽しみ、ゆっくりしたい」というサウナーのニーズにマッチした。

■次なる野望は「個室」

　予想以上の反響に「沖縄でもサウナは日常の一部になっていると感じる」と平良支配人。コロナ禍で従来のメイン層である宿泊客は減り、経営は厳しかったと言うが、日帰り入浴の利用客数は増加している。今後も、一部入場制限など感染対策をとりながら、サウナを「武器」にする予定だ。

　次なる計画は全国的にもまだ珍しい「個室サウナ」だ。来年には施設を一部改装して、サウナに特化した新たなフロアを設ける。そこでは1人でもサウナを楽しめる仕組みを作るという。人との接触に気を使うアフターコロナを見据えた動きだ。