「金口木舌」の記事一覧

　この食材がなければ、私たちの食卓は随分と興ざめしていただろう。みそやしょうゆ、豆腐、納豆、枝豆も味わえなかった。大豆である。日本の食文化には不可欠の存在だ ▼ ...

　清少納言が枕草子で書いている。「七日の日の若菜を、六日、人の持て来、さわぎ取り散らしなどするに」。頂き物の若菜（春の七草）を珍しがって子どもたちが騒ぐ。にぎや ...

　厳かで神聖な場所なのに親しみが湧く。年に一度は家族や親類が和やかに集う。やんちゃな子どもにとっては格好の遊び場となる。墓は沖縄の暮らしの中に溶け込んでいる ▼ ...

　時折見せるほほ笑みは天使のよう。沖縄市の泡瀬特別支援学校高等部２年生の山城美咲さんは、生まれつき表皮水疱（すいほう）症（栄養障害型）の病気を患い、１７歳を生き ...

　新しい年が本格的に動き始める。正月気分がまだ抜けていない感はあるが、官公庁や企業の多くはきょうが仕事始めだ ▼毎年の節目の日だが、何か変えようと思わなければた ...

　新聞社から記者が消える日は来るのだろうか。データから自動的に文章を作成する人工知能（ＡＩ）の研究が進んでいる。米メディアのＡＰ通信では、中小企業の決算記事など ...

　新しい年が明けた。今年のえとは申（さる）。「犬猿の仲」や「猿の尻笑い」「猿に烏帽子（えぼし）」など、いいイメージの言葉は少ない。昔話「さるかに合戦」では、カニ ...

　本題と外れた“ゆんたく”に人柄や生い立ちが表れることはよくある。作家の半藤一利さんは沖縄を訪ねたことがないという。理由は「出るんですよ」 ▼「戦士の遺書－太平 ...

　名護市中心街にネーネーズの「黄金の花」が流れる。１９９７年１２月、海上ヘリ基地の是非を問う市民投票を数日後に控えていた。メロディーは美しいのに胸が痛む。やりき ...

　ことしもあと３日、充実した年であればあるほど、時の速さも身に染みよう。大学生のこの人も挑戦が続きトップギアで疾走した年だったようだ ▼名桜大３年の玉城愛さん（ ...

　「安心してください」という芸人のギャグが流行したが、安心できる年ではなかった。集団的自衛権の行使を容認する安保関連法は成立したし、世界ではテロが頻発した ▼マ ...

　「眼鏡が買えず板書を写せない子がいる」「ズボンが破れたまま中学生時のものを着ている」。本紙と高教組の合同アンケートで見えてきた現在の高校生の実態がこれほどまで ...

　墓碑銘に朗らかな笑顔を残し、漫画家の水木しげるさんが９３歳でこの世を去った。今ごろ極楽で楽しくやっておられるだろうか ▼鳥取県境港の子ども時代、実家のお手伝い ...

　けさ子どもたちの枕元にサンタさんからの贈り物は届いただろうか。今でこそ国民的行事のクリスマスだが、庶民まで広がったのは戦後だ。沖縄では１９４７年、軍政下で初め ...

　イブに世知辛い話だが、クリスマスケーキを見ながら「これは再来年も８％」とつい考える。このほど決まった消費税の軽減税率だ。２０１７年４月には消費税を１０％に引き ...

　石橋湛山が首相となった１９５６年末、元県知事の稲嶺恵一さんは慶応大の学生だった。在任わずか２カ月余だが「非常に印象に残っている」という。本紙は先日、湛山の名を ...

　群衆が裏返そうとした途端にガソリンが流出し車両は炎に包まれた。投石もあった。焼け焦げた車はそこかしこ。米統治下の１９７０年１２月２０日、今の沖縄市で発生したコ ...

　この間、街角で不思議な集団を見掛けた。スマホを片手に、もう一方の手には地図。同じような活動的ないでたちで街を闊歩（かっぽ）する様に、首をかしげた人も多かったの ...

　「妻は婚姻に因（よ）りて夫の家に入る」（１８９８年施行の民法）「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する」（１９４７年の改正民法） ▼明治か ...

　ある大学教授が嘆いていた。学生のリポートで「コピペ」が横行しているという。「コピーアンドペースト」。ネット上の他人の文章を張り付けることだ。パソコン普及に伴い ...

　ブルックリンを一望できる眺めの良いアパート。屋上では家庭菜園でトマトを収穫する。４０年住み続け、夫婦の歴史を刻んできたわが家。ただ一つの欠点は… ▼モーガン・ ...

　野坂昭如さんの訃報を聞き「飢餓」の２文字が浮かんだ。空襲後の焼け跡で飢え、妹を栄養失調で亡くしている。「焼け跡闇市派」を名乗り、飢餓体験を通じて戦後日本を見詰 ...

　帰る道すがら、懐中電灯を手にした一団を見掛けた。夜間パトロールの住民だった。興味が湧いたので、しばらく付いて歩いた ▼真っ暗な公園や人けのない住宅の裏を見回っ ...