県は20日、米軍キャンプ・ハンセンで働くうるま市在住の40代日本人女性が新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」に感染したと発表した。県内のオミクロン株感染者は計4人で、いずれも入院中。ハンセン内のクラスター(感染者集団)は計186人に拡大した。
基地従業員の女性は、17日に県内で初めてオミクロン株感染が確認された50代男性の職場での濃厚接触者。無症状だった17日に検査で陽性が判明し、その後発熱などの症状が現れたという。
一方、1例目の男性とは遺伝子レベルで違いがあるとして、玉城デニー知事は20日の会見で「感染源が別にある可能性が高いと考えられる」と指摘。県の糸数公医療技監は「既に基地内で感染が広がっている可能性も否定できない」と述べた。
女性の濃厚接触者は現時点で家族4人。県によると、女性が15日に受験した調理師試験で、会場の状況などから13人を接触者として確認。個別にPCR検査への協力を呼び掛けた。
県はこのほか、デルタ株でないことが判明し、オミクロン株の可能性があるとして、2例のゲノム解析を進めている。オミクロン株感染が判明した4人の濃厚接触者かどうかは調査中。
20日の新規感染は中部保健所管内の20代男性と名護市の70代女性の2人。推定感染経路は家庭内と職場内。7月下旬から8月に発生した教育機関と社会福祉施設のクラスター2例も報告された。米軍関係では20日、4人の感染が県に報告された。内訳はキャンプ・ハンセン2人、嘉手納基地とキャンプ・コートニー各1人。
県が19日、沖縄市の県総合運動公園でハンセン従業員らを対象に実施した無料PCR検査では、基地関係者213人のうち2人の陽性が確認された。このほかの接触者として1人の陽性も判明。県は今後デルタ株かどうか検査し、陰性であれば、ゲノム解析でオミクロン株かどうかを調べる。(吉田早希)
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