「金口木舌」の記事一覧

　小説「人間の証明」は、ある殺人事件に秘められた母と子の数奇な運命を描いた。戦争の暗い影に翻弄（ほんろう）され続ける人々の姿が胸に迫ってくる ▼１９７６年に発表 ...

　２０１７年８月、奄美大島の宇検村を訪れた。対馬丸乗船者の遺体が流れ着いた地である。この地で村人に助けられ、手厚い看護で回復した女の子がいた ▼平良啓子さん。平 ...

　宮古島のアララガマ、伊江島のイーハッチャー…。その地域の人柄や人間性を表す言葉が県内各地にある。本島北部で最も聞かれるのは「名護マサー」だろう ▼名護の人々の ...

　独特の歴史や文化が育んだ独自の取り組みが沖縄には数多くある。7月の県産品奨励月間もその一つ。この種の取り組みは他県では珍しいという ▼始まりは米統治下時代にさ ...

　現代版組踊「肝高の阿麻和利」は子どもたちが主体となって舞台をつくる。2000年の初演以来、国内外の公演で約20万人の観客を動員した。8月の東京公演を控え、子ど ...

　その道で時代を象徴するような存在は、元号付きの異名を取ることがある。「令和の怪物」「令和の歌姫」「令和の爆笑王」。看板倒れも、うなずけるものもあり、それぞれだ ...

　液体窒素でカチコチに固めたバナナ。「定番」だが、やはりやってみたいのは、これ。「バナナでくぎを打つ」 ▼沖縄市の銀天街で今春にオープンしたサイエンスカフェ「り ...

　もはや日本一暑いとか、頂上決戦をしている場合ではなかろう。関東甲信越は最高気温が35度以上の猛暑日が続く。最近５年間は毎年のように熱中症による死者は千人を超え ...

　「首里の織物」の祝嶺（しゅくみね）恭子（きょうこ）さん、「琉球古典音楽」の大（おお）湾清之（わんきよゆき）さんが人間国宝に認定されることになった。２人とも卓越 ...

　最近、本島北部の沿道でスーツケースを引く若者の姿をよく見かけるようになった。観光需要の回復が要因かと思ったが、それだけではないようだ。観光事業者の話で合点がい ...

　「百間（ひゃっけん）の港に、舟をよこわせとけば、なしてか知らんが、舟虫も、牡蠣（かき）もつかんど」（石牟礼道子「苦海浄土」）。水俣病が世に知られる前、不知火の ...

　夏の北海道を舞台に高校生が写真の腕を競う「写真甲子園」という大会がある。県勢はこれまで優勝を果たすなど多くの実績を残した。今年は浦添工業高が大会に挑む ▼美し ...

　沖縄での生活は15年以上になるが、いまだに少し気後れする。結婚披露宴の終盤、新郎新婦を囲んでのカチャーシーだ。満面に笑みを浮かべて舞う周囲を見ながら、自分の動 ...

　新人の頃はよく飲み会で泡盛をつぐ「酒座」を命じられた。だが世相も変わり、酒座を目にする機会は減った ▼代わりに居酒屋で定着したのは「飲み放題」。全員が好きに酒 ...

　甘くなつかしい匂（にお）いが漂ってきた。夏の訪れを告げるゴールデンシャワーが神奈川県の個人宅で開花したと聞き、訪ねた。県内から取り寄せ挿し木した。黄色い花がま ...

　台湾と沖縄。近いけれど互いの歴史をどれだけ知っているだろう。２０１０年、台湾に招待された県平和祈念資料館、ひめゆり平和祈念資料館、佐喜眞美術館の３館長の共通し ...

　サカナ（高級魚）を食べるとヤクザ（暴力団）がもうかる―。ルポルタージュ「サカナとヤクザ　暴力団の巨大資金源『密漁ビジネス』を追う」（鈴木智彦著）は、食に潜む闇 ...

　夏の風物詩として人気の高い高校野球。全国選手権沖縄大会決勝は沖縄尚学が2年ぶりに優勝を飾り、全国一番乗りで10度目となる夏の甲子園出場を決めた。節目の105回 ...

　「ありがとう」は不思議な言葉だ。自分で言っている時も、誰かに言われた時も心が穏やかになる。感謝の思いを伝える時は心にも余裕が生まれている ▼相手に謝意を伝える ...

　10年ほど前、記事の内容が事実と異なるなどとして、民事裁判で訴えられたことがある。裁判では私たちの主張が認められた。ただ、判決が出るまで1年ほどを要し、「被告 ...

　ryuchell（りゅうちぇる）さんに会ったのは昨年12月であった。語り口から受けた印象は「本島中部のにーせー」。沖縄を離れ9年になるが独特のイントネーション ...

　その場に居合わせたら、どう対応できるのか。森達也さんが監督を務めた映画「福田村事件」は、実際にあった事件を描き、虐殺に走った民衆とあなたは違う人でいられるかを ...

　八重山では「南風」と書いて「ぱいかじ」と読む。夏場に南から吹く南風は幸せを運ぶとも言われる。２０１３年に開港した新石垣空港の愛称は、南風を想起する「南（ぱい） ...