「書評」の記事一覧
<書評>『琉球の祭祀植物の研究』 「植物民俗学」の基礎になる書
2023/09/17
#書評
神を祭る祭祀(さいし)でカミンチュなどが身にまとう植物にはどのような意味があるのだろうか。超自然的存在である神々に対して人間が働きかけを行う点に祭祀の本質があ ...
<書評>『「沖縄1972年」考 返還・復帰・再併合』 生き様と重なり合う覚悟
「復帰」を思い起こし、祝い、語り、問うことは、沖縄(琉球)と日本(ヤマト)との植民地主義の歴史に斬りこむことも、また逆に正当化し再生産もし得る、政治的・文化的 ...
<書評>『相思樹の歌』 戦時下の若者にはせる想い
「こころならずも生き残ってしまったという慚愧(ざんき)の念にも襲われた自分をもてあました」と語る主人公・片岡草志。鉄血勤皇隊として地獄の果てを経験し、見てはな ...
<書評>『沈黙に向き合う 沖縄戦聞き取り47年』 地を這う調査で現代史照射
石原昌家氏の研究は、社会学の強固な基盤の上に、地を這(は)うような沖縄戦の聞き取り調査を構築し、そこから沖縄の現代史を多面的に照射する、例のない大きな山を築い ...
<書評>『西洋の護符と呪い』 非科学とわかっていても
2023/09/02
#書評
『西洋の護符と呪い』尾形希和子著 八坂書房・2420円 われわれは、長く巨大なパンデミック(世界的大流行)を生き延びた。そのために、多大な犠牲を払ったことはい ...
<書評>『眠る木』 誰かの日常、歴史通して記録
2023/09/02
#書評
『眠る木』上原沙也加著 赤々舎・4950円 私の部屋の壁には上原沙也加の写真が1枚かかっている。昨年、那覇での個展の際に求めたものだ。しかしわたしはそれを「所 ...
<書評>『教養としての「病」』 医者と患者の共同体
2023/08/26
#書評
『教養としての「病」』佐藤優、片岡浩史著 集英社・1034円 「自己意識は沖縄人」と言い切り、本紙ではその視点から健筆を振るう佐藤優氏。前立腺がんや慢性腎臓病 ...
<書評>『島嶼左翼はどこへゆく―沖縄的言説風景』 内容多岐、思想の現在の書
2023/08/26
#書評
『島嶼左翼はどこへゆく―沖縄的言説風景』宮城正勝著 ボーダーインク・3960円 著者のあとがきに「本書でぼくは、一部の知識人のことを「島嶼左翼」とか「否定知識 ...
<書評>『沖縄文学は何を表現してきたか なぜ書くか、何を書くか』 「書く」ことへの思いを知る
2023/08/19
#書評
『沖縄文学は何を表現してきたか なぜ書くか、何を書くか』又吉栄喜・大城貞俊・崎浜慎編 インパクト出版会・2750円 沖縄文学作品のアンソロジーは数多くあるが、 ...
<書評>『DOHaD学説で学ぶ胎児・赤ちゃんから始める 生活習慣病の予防』 子が健康に育つ社会願う
2023/08/19
#書評
『DOHaD学説で学ぶ胎児・赤ちゃんから始める 生活習慣病の予防』安次嶺馨著 幻冬舎・1650円 DOHaD(ドーハッド)とは多くの研究者によって導かれた生活 ...
<書評>『琉球文学大系2 おもろさうし 下』 鑑賞するための多様な視点
2023/08/12
#書評
『琉球文学大系2 おもろさうし 下』名桜大「琉球文学大系」編集刊行委員会編さん 波照間永吉校注 ゆまに書房・6820円 本書解説の「オモロの“場”と歌唱者」に ...
<書評>『マイマイは美味いのか』 人とのつながり掘り下げ
2023/08/12
#書評
『マイマイは美味いのか』盛口満著 岩波書店・2640円 カタツムリが主役の本。「たかがカタツムリ」のようにみえるが「されどカタツムリ」。 著者は、喜界島から ...
<書評>『沖縄戦幻想小説集 夢幻王国』 戦争のむごさを余韻深く
2023/08/05
#書評
『沖縄戦幻想小説集 夢幻王国』又吉栄喜著 インパクト出版会・1980円 芥川賞作家又吉栄喜が約1年ぶりに刊行した作品集で、「全滅の家」「兵の踊り」「平和バトン ...
<書評>『琉球列島における 芭蕉布文化の起源を探る』 芭蕉布の研究成果を結集
2023/08/05
#書評
『琉球列島における 芭蕉布文化の起源を探る』カトリーヌ・ヘンドリックス著 新星出版・2200円 著者は琉球の芭蕉布の起源について研究しているが、本書は現時点で ...
那覇市出身の髙良真実さんにBR賞 優れた歌書の書評 「読み応えのある文章を心がけ」
現代短歌社のBR賞を受賞した髙良真実さん 歌集・歌書に関する優れた書評に贈られる第4回BR賞(主催・現代短歌社)の発表が7月30日にあり、沖縄県那覇市出身で東 ...
<書評>『うちなー世 書を捨て、まちに出た高校生たち 復帰51年目の黙示録』 激動の沖縄 正面から見つめる
2023/07/29
#書評
『うちなー世 書を捨て、まちに出た高校生たち 復帰51年目の黙示録』吉岡攻著 インパクト出版会・2200円 あの頃の高校生たちのまなざしはなぜあれほど鋭く、厳 ...
<書評>『花ゆうな 第二十九集』 日常の悲喜に触れて詠う
2023/07/29
#書評
『花ゆうな 第二十九集』花ゆうな短歌会著 花ゆうな短歌会・2000円 花ゆうな短歌会(主宰・比嘉美智子)著『合同歌集 花ゆうな 第二十九集』が刊行された。25 ...
<書評>『みやこの自然と人』 地域で生まれた文化多様性
2023/07/22
#書評
『みやこの自然と人』宮古島市史編さん委員会 宮古島市教育委員会・5000円 子どもの頃、実家に備えてあった十数冊組の百科事典をめくるのが好きだった。目に飛び込 ...
<書評>『観光と「性」―迎合と抵抗の沖縄戦後史』 政治・経済の変化で複雑化
2023/07/22
#書評
『観光と「性」―迎合と抵抗の沖縄戦後史』小川実紗著 創元社・3520円 本土復帰50年。沖縄戦後史を捉えなおす中に、この著作も新たな光を放っている。1950年 ...
<書評>『〈怒り〉の文学化』 〈一九九五年九月〉キーワード
2023/07/15
#書評
『〈怒り〉の文学(テクスト)化 近現代日本文学から〈沖縄〉を考える』栗山雄佑著 春風社・4620円 イヤー、すさまじい研究書を読んだ。私は、本書で近現代日本文 ...
<書評>『沖縄の生活史』 100年にわたる沖縄の世相
2023/07/15
#書評
『沖縄の生活史』石原昌家、岸政彦監修 沖縄タイムス社編 みすず書房・4950円 いつものように普通にページをめくる。沖縄を生きる、沖縄で生きる、沖縄を活(い) ...
<書評>『Fujiと沖縄』 確かな視点、広がる視野
2023/07/08
#書評
『Fujiと沖縄』 山梨日日新聞社・2200円 タイトルの「Fuji」とは、富士山のことである。本書は、その山梨県側の麓に広がる北富士演習場をめぐる動きを追っ ...
<書評>『琉球列島のフクギ並木』 沖縄の宝の風景を見いだす
2023/07/08
#書評
『琉球列島のフクギ並木』陳碧霞著 南方新社・4730円 著者のフクギに対する熱いまなざしはどこから湧き出てくるのだろうか。フクギに懸ける思いは並々ならぬものが ...
<書評>『都市で故郷を編む 沖縄・シマからの移動と回帰』 新たな沖縄の共同性論
2023/07/01
#書評
『都市で故郷を編む 沖縄・シマからの移動と回帰』石井宏典著 東京大学出版会・7480円 本書は、著者が30年間という年月をかけ、備瀬の人びとと共に海や浜、畑で ...
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