「金口木舌」の記事一覧

　「病院壕に数多の傷兵診たまひし医師の悲憤を胸痛く聴く」。歌人・屋部公子さん（93）の歌集「遠海鳴り」の中で、印象深い作品の一つだ ▼東京で戦争を体験した屋部さ ...

　県内の製造業を訪ねる連載で複数の企業を取材したことがある。滝つぼや竜巻で水が滑らかになる仕組みを研究し、オゾン水生成装置を開発した企業があった。金属を使わずに ...

　「精力善用」「自他共栄」。講道館柔道の創始者、嘉納治五郎氏の提唱した精神について、高校時代の恩師は熱く語った。「武道を修めるのは暴力を認めることではない。理不 ...

　新型コロナウイルスの３回目のワクチンを接種した。２回目と同様に頭痛と倦怠（けんたい）感、発熱に襲われた。一緒に受けた家族は無症状。副反応の有無は人それぞれだ ...

　優しい母親がネズミを口にくわえていたところを子どもたちに見つかってしまう。沖縄の民話「我如古の猫女房」は、人間の女に変身した化け猫が人間の男と一緒になった話だ ...

　俳優の国仲涼子さんは制服に憧れて那覇商業高校に進学した。３年間毎日着る制服がどんなものか中高生にとって重要な問題だ ▼那覇市では申請なしにスカート、ズボンを選 ...

　幼少期にお小遣いを手に駄菓子屋に駆け込んだ人も多いはず。手持ちの現金で何が買えて、おつりはいくら戻るのか。頭を悩ませた経験は消費者として独り立ちする第一歩にな ...

　原野や護岸でたたずむ猫の姿に目をうばわれた。与那原町役場で開催中の「さくら猫パネル展」に足を運んだ。愛らしい様子から想像しにくいが、主催するよなばるネコの会は ...

　米軍キャンプ瑞慶覧に掲げられた大きな日米両国旗を背後に、北中城村石平の細道を下ると桜並木が見えてくる。普天間川沿いで地域の人々の目を楽しませる約320本のヒカ ...

　45年前の今日、沖縄地方初の降雪が久米島で観測された。残念ながら、雪国のような銀世界にはならなかったようだ ▼雪は美しさの例えにも使われてきた。有名なのは「雪 ...

　映像を見た時、全身に衝撃が走った。元日本兵らが戦時中の住民への加害行為を告白し、悔いていた ▼制作した神直子さん（44）＝愛知県＝は２０００年に大学生のころ訪 ...

　１９６９年製作の映画「沖縄」の舞台は伊江島。銃剣とブルドーザーで先祖から受け継いだ土地を奪う米軍に「１坪たりともわたすまい」と非暴力で立ち向かったのが阿波根昌 ...

　車に乗るとき、ついつい好きな音楽ばかりを聴いてしまう。ラジオに切り替えると新たなアーティストに出会うことがある。国内外の最新のニュースにも触れられる ▼県内に ...

　カメラを構えていると、顔に泥を塗られた。宮古支局で勤務していた頃、宮古島市平良島尻の伝統行事「パーントゥ」を取材し、記者も泥を塗られた ▼仮面をかぶる異形の神 ...

　「昔はそこら中に松の大木があったが、すっかり見なくなった」。北中城村和仁屋の比嘉清文さん（84）が懐かしそうに話した。比嘉さんが庭の松に着生させたカトレアが咲 ...

　想像力が欠如すると安易に「イマジン」を使いたくなるのだろうか。北京五輪の開会式を見ながらそんな皮肉を感じた ▼ジョン・レノンさんが歌った名曲は、宗教や国家、所 ...

　娘がまだ幼少期のころ、スーパーや公園など出掛ける先で年配の女性に声をよく掛けられた。「あら～かわいい。何歳？」 ▼当時はうちの子が特別かわいいのかと思っていた ...

　１８８７年２月８日、郵便マークの「〒」の使用を決定した。それにちなんできょうは「郵便マークの日」 ▼郵便マークができる13年前、大宜味村塩屋に塩屋郵便局が設置 ...

　仕事中に疲れたり集中が途切れてきたりすると、コーヒーとチョコレートを口にする。広がる苦さと甘さで眠気が覚め気分転換になる。多くの人に愛されるチョコレートだが、 ...

　2月のプロ野球キャンプを球春と呼ぶ。選手は冬場に課題と向き合い、新たなシーズンに向け第一歩を踏み出す。今後の飛躍を誓い、新鮮な気持ちで球場に立つ春のような時期 ...

　数年前、取材で児童養護施設や里親家庭を巣立った若者たちを訪ね、話を聞く機会があった。生活が安定している人たちに共通していたのは、信頼できる大人との出会いだった ...

　深夜、ホテルの窓の外で金属音が響いた。向かいの集合住宅のベランダで住人がしきりに鍋の底をたたいていた。変わり者かと思ったら別の建物からも「カンカン」と聞こえだ ...

　2月3日は節分。毎年鬼役を務め、投げつけられる福豆の痛みに子どもたちの成長を痛感している。ただ近年では関西発祥の恵方巻きが、経済活動という意味では行事の主役と ...