「聴事を求めて」の記事一覧
<聴事(チチグトゥ)を求めて 組踊初演300年>111 組踊における話芸(1) 進化する「会話」「語り」
「クミヲゥドゥイ チチガイチュン」とは組踊を観劇しに行く、という意のしまくとぅばである。また本コラムのタイトルも「聴事(チチグトゥ)」を冠しているが、これは組 ...
<聴事(チチグトゥ)を求めて 組踊初演300年>110 地域と組踊(15) 移民先ハワイでも上演
組踊が地域に伝承されていくことや地域で新たに創作されていくことは、まだまだ解決せねばならない課題や謎が多い。しかしながら、本稿でみてきたように組踊は琉歌や琉球 ...
<聴事(チチグトゥ)を求めて 組踊初演300年>109 地域と組踊(14) 他の作品熟知して創作
組踊が創作されるというプロセスには、以下の二つを指摘することができる。一つは「引用・引句」という手法を用いて先行作品よりある部分を倣うことで組踊を創作するとい ...
<聴事(チチグトゥ)を求めて 組踊初演300年>108 地域と組踊(13) 先行作品を教科書に
組踊が創作されていく過程で、場面や音楽を先行作品から引用することで、新たな作品にも古典の組踊と同じ情景を描かせる、ということを示してきた。これは場面や音楽 ...
<聴事(チチグトゥ)を求めて 組踊初演300年>107 地域と組踊(12) 「引用」で結末を暗喩も
与那国に伝承されている「勝連の組」にも先行する組踊作品からの「引用」が指摘できる。本作は「勝連」という名が付いた作品であるが、その内容は護佐丸・阿摩和利の乱と ...
<聴事(チチグトゥ)を求めて 組踊初演300年>106 地域と組踊(11) 他作品を熟知して引用
このような組踊作品に見られる場面や音曲の「引用」は、地域にしか見られない組踊でも確認できる。例えば「忠臣仲宗根豊見親組」では、あふがま、こいがまと両親が別れる ...
<聴事(チチグトゥ)を求めて 組踊初演300年>105 地域と組踊(10) 前作から引用して創作
組踊の創作過程はどのようなものだったのか。これは、王府上演が確認できる組踊も地域にしかみられない組踊においても同様の問いである。 王府上演の組踊を例にすると ...
高校生で組踊と出会い芸術監督に 金城真次 躍動する若手(1)<新時代・国立劇場おきなわ20年>1
放課後、那覇高校からバスで浦添市小湾に向かう。臨海地区にある閑散としたその場所で、ひときわ目立つコンクリート造りの建物が目に入り「ワクワクしました」。それが金 ...
<聴事(チチグトゥ)を求めて 組踊初演300年>104 地域と組踊(9) 士族、役者が各地で伝授
このゆかりのある「作品」という意識は、恩納村名嘉真の「玉村の若按司敵討」の冒頭で、仲間節の「仲間」表記を同地名に宛てた「名嘉真節」が用いられていたり、作中に上 ...
<聴事(チチグトゥ)を求めて 組踊初演300年>103 地域と組踊(8) 「組踊語」を基本に伝承
組踊は王府芸能として誕生し、時代が下るとともに士族社会に浸透し、ひいては地域の豊年祭などの行事に取り入れられていった。現在、組踊の上演や組踊本の所蔵が確認でき ...
<聴事(チチグトゥ)を求めて 組踊初演300年>102 地域と組踊(7) 儒教道徳の「教材」に
前回まで見てきたように、「二十四孝」を琉歌にして学ぶ環境が、明治初期の(言うなれば旧慣温存期の)沖縄にあったのであれば、王国時代末期や明治初期に「二十四孝」の ...
<聴事(チチグトゥ)を求めて 組踊初演300年>101 地域と組踊(6) 「二十四孝」、文学化し理解
もう一つ、地域で創作される組踊の特徴を考えてみたい。外題と前半部が欠落している「黄金の羽釜・里川の子」と「桑の果報」である。池宮正治は「黄金の羽釜・里川の子」 ...
<聴事(チチグトゥ)を求めて 組踊初演300年>100 地域と組踊(5) 住民のルーツ語る英雄譚
戦前までに創作された組踊は筆者の調べによると、73作品あると分かっている(鈴木耕太「組踊異表代表一覧」『沖縄芸術の科学』35号参照)。前章で確認したのは、王府 ...
<聴事(チチグトゥ)を求めて 組踊初演300年>99 地域と組踊(4) 王府編集本を書写し伝播
琉球文化圏において組踊が上演されている地域には必ず組踊本が残され、さらに上演せずとも組踊本が地域に残されているという状況から、地域に組踊が伝播(でんぱ)するた ...
<聴事(チチグトゥ)を求めて 組踊初演300年>98 地域と組踊(3) 上演なく伝承も
前回の(2)で挙げた宮鳥御嶽における「雪払」の配役について、これ以前に石垣島で上演された可能性が全くないわけではない。八重博本『伊祖の子組』の末尾には、「此組 ...
<聴事(チチグトゥ)を求めて 組踊初演300年>97 地域と組踊(2) 伝播しても上演に条件
組踊はなぜ、このように多くの地域に伝承されたのか。これまで組踊の地方伝播は、主に舞台における「上演」を中心に語られてきた。池宮正治は『伊江朝睦日日記』を例にして ...
<聴事(チチグトゥ)を求めて 組踊初演300年>96 地域と組踊(1) 166地区で40作品上演
組踊は1719(康煕58)年に尚敬王冊封の重陽宴にて初演された。創作をしたのは玉城朝薫である。したがって、組踊は国家によってその創作が計画され、初演についても ...
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