「本」の記事一覧
『水木しげるの日本霊異記』水木しげる著
2015/09/14
#本
分からないことの快感を知る 今なぜ、水木先生の新刊を読みたくなったのか、自分でもよく分からなかった。水木漫画の熱心な読者というほどでもない。しかし店頭で本書を ...
『やわらかな言葉と体のレッスン』尹雄大著
2015/09/07
#本
日常の思考パターンを問い直す フリーライターという著者の肩書とタイトルからは、文章やインタビューに関するハウツー本を思わせるが、全く違う。著者は本書のテーマを ...
『他者という病』中村うさぎ著
2015/09/07
#本
凄絶な自己剔抉のドキュメント 今いる文筆家で、中村うさぎはその仕事のオリジナリティーにおいて傑出した存在といえるだろう。買い物依存症、ホスト狂い、美容整形、デ ...
『ぼくらの哀しき超兵器』植木不等式著
2015/09/07
#本
戦争が生んだトンデモ作戦 戦争によって進展してきた20世紀の科学技術。戦闘機やレーダーといった直球の兵器開発の陰で、奔放にして型破りなアイデアによる数々のトン ...
『奇縁七景』乾ルカ著 終わる。けれど生きる。
2015/08/31
#本
唸らされるばかりである。見慣れた慣用句をタイトルに掲げ、そこから連想された物語たちがここには7編、束ねられている。その「連想」の飛びっぷりがすごい。 例えば ...
『きわこのこと』まさきとしか著 2度読まずにおれない終幕
2015/08/31
#本
2009年から2015年。その間、新聞の3面記事に、小さく載せられた5つの事件について作者はつづる。ある者は交通事故の、ある者は母親殺しの、当事者として物語に ...
「間違いだらけの婚活にサヨナラ!」仁科友里著
2015/08/25
#本
バカっぽい婚活本かと思いきや なんか頭悪そうな本出てるな~と毒づきながらも手にした私、ええそうですよ、泣く子も黙るお年頃(後期)ですが、何か? 会社員を経て ...
『新装版 ルナティック雑技団 1』岡田あ~みん著
2015/08/25
#本
こじらせアラサーの心の傷 どうやらすげえ美人らしいとか、今は旅館に嫁いで穏やかな暮らしを送ってるとか、活動休止から20年近くたった今もなお、あることないことう ...
『ビオレタ』寺地はるな著
2015/08/17
#本
棺桶を売る雑貨店で起こる小さな出来事 小さな小さな世界の話。 小説に描かれた一連の小さな出来事によって、主人公の心がほんの少し動いたという話だ。それだけの話 ...
『マンガでわかる戦後ニッポン』手塚治虫ほか著
2015/08/10
#本
名匠たちが伝える時代の気分 戦後70年を迎え、書店には多くの関連書が並んでいる。気楽に付き合いたいとこの本を手に取ったのだが、予想外の収穫だった。これは戦後史 ...
『スクリプトドクターの脚本教室・初級篇』三宅隆太著
2015/08/03
#本
脚本が描くのは人である 脚本書きとは、こんなにも心理戦なのである。映画監督としてのキャリアがあり、大学や映画学校で脚本の講師を務め、暗礁に乗り上げた映画のプロ ...
『院内カフェ』中島たい子著
2015/08/03
#本
共生するには距離が要る 私の父が入院をした時、その大きな病院内にはコンビニがあった。消毒綿とか紙おむつとか室内履きとか、明らかに他店とは異なる品ぞろえを誇りな ...
『冥途あり』長野まゆみ著
2015/08/03
#本
人生の断片が川となり押し寄せる つづられるのは、人生の断片のようにみえる。父から聞いたこと、母から聞いたこと、叔父叔母から聞いたこと。そしてここにつづられてい ...
『恋をしていた。』詩・北川悦吏子、写真・あさぎ空豆
2015/07/28
#本
ノートの隅の短い日記 脚本家・北川悦吏子さんっつったら、われわれ世代のカリスマなわけですよ。中学生の時に見たドラマ『ロングバケーション』は鮮烈だったなぁ。だっ ...
『A子さんの恋人 1巻』近藤聡乃著
2015/07/28
#本
クセになる不穏な空気 ニューヨーク在住の漫画家でありアーティスト、近藤聡乃の新刊。前作のコミックエッセー『ニューヨークで考え中』では、下半身レギンス一丁で出歩 ...
『蛭子能収のゆるゆる人生相談』蛭子能収著
2015/07/28
#本
ほんわか腹黒おじさんの明るい諦念 えー、よりによって蛭子さんかよ。もし人生相談に乗ってもらうとして、クジ引きで相談相手が決まるとして、引いたのが蛭子さんだった ...
『家族スクランブル』田丸雅智著 読書と時間の関係
2015/07/21
#本
<1話5分で読める!> 帯の文句にひかれて本書を手に取った。 個人的な話であるが、何分で読めるのかについては苦い思い出がある。 編集者時代、文芸誌の創刊 ...
『屋上のウインドノーツ』額賀澪著 「志」をめぐる青春小説
2015/07/21
#本
確かにまっとうな青春小説だ。 舞台は高校の吹奏楽部。弱小といってもいい、取り立てて輝かしい実績のないクラブである。 主人公は2人。この春、3年に進級し、い ...
『君の膵臓(すいぞう)をたべたい』住野よる著
2015/07/21
#本
恐ろしいタイトルの、清らかな恋愛小説 本書を持ち歩いていたら、知人から「なんて怖いタイトル!」と驚かれた。カバーを外した状態だったので、どんな方向の本か分から ...
『断片的なものの社会学』岸政彦著
2015/07/13
#本
かけがえのない無意味さ 冒頭、印象的なエピソードが紹介される。 社会学者の著者が沖縄で、ある男性への聞き取り調査中のことだった。庭にいる息子が叫んだ。「父さ ...
『ジハーディストのベールをかぶった私』アンナ・エレル著、本田沙世訳
2015/07/13
#本
テロリストとの攻防 過激派組織「イスラム国」の戦闘に参加するため、ヨーロッパの若者が次々に中東に渡っている。フランス人女性ジャーナリストの著者はその背景を探ろ ...
『あなたが消えた夜に』中村文則著
2015/07/13
#本
重厚な人間ドラマ描くミステリー 連続通り魔事件が発生した。目撃証言から「コートの男」と呼ばれる容疑者を所轄の刑事と警視庁捜査一課から来た若手女刑事が追う。典型 ...
『70年目の恋文』大櫛ツチヱ著
2015/07/06
#本
両手を開いて受け止める愛情 読みながら、気おされっぱなしだった。20台前半の時に戦争で夫を亡くし、2人の子を抱えてがむしゃらに生き抜いて、子どもたちが育って平 ...
いま注目のニュース
一覧へ
![](https://ryukyushimpo.jp/uploads/2024/07/ニュースレターバナー_20240704.png)